
高い性能とスタイリッシュなデザインのMac StudioとStudio Display。いざ使ったときに満足できるデバイスになるか、メリットとデメリットで評価しました。
Mac StudioとStudio Displayをそろえて使うべきか、定価より安く購入するアドバイスも加えました。
目次
Mac Studioのメリットとデメリット
Mac StudioはM2 MaxとM2 Ultraのいずれかのチップで作動するハイエンドマシンです。M2 UltraはM2 Maxを2つ融合したフュージョンチップで、Mac Proと並ぶM2シリーズ中で最強のパワーを誇っています。
メリット
- M2 MaxまたはM2 Ultraを選択できる
- 12のポートを搭載
- 6GHz帯を可能にするWi-Fi 6E
- 静音をキープする排熱機能
- 省スペースのコンパクトサイズ
M2 MaxまたはM2 Ultraを選択できる
Mac Studioの大きな魅力は、M2 MaxとM2 Ultraのチップのいずれかを選択できることです。Mチップの中でパワフルなパフォーマンスを発揮する、2つのチップとユニファイドメモリを比較してみましょう。
M2 Max | M2 Ultra | |
---|---|---|
CPU | 12コア | 24コア |
GPU | 30/38コア | 60/76コア |
ニューラルエンジン | 16コア | 32コア |
メディアエンジン | ・ハートウェアアクセラレーテッドH.264 ・HEVC ・ProRes ・ProRes RAW ・ビデオデコードエンジン ・ビデオエンコードエンジン x2 ・ProResエンコード / デコードエンジン x2 | ・ハートウェアアクセラレーテッドH.264 ・HEVC ・ProRes ・ProRes RAW ・ビデオデコードエンジン x2 ・ビデオエンコードエンジン x4 ・ProResエンコード / デコードエンジン x4 |
メモリ | 32GB/64GB/96GB | 64GB/128GB/192GB |
M2 Ultraの性能は、数値を見る限りすべてM2 Maxの2倍になります。単一の作業よりも、負荷の高いソフトウェアや複数のアプリなどの同時使用に強みを発揮します。
12のポートを搭載
豊富なポートの数もMac Studioのメリット。以下12のポートを搭載しており、チップによって前面のポートの種類が異なります。
共通 (背面) | M2 Max (前面) | M2 Ultra (前面) |
---|---|---|
・Thunderbolt 4 x4 ・USB-A x2 ・HDMI ・10Gb Ethernet ・ヘッドフォンジャック | ・USB-C x2 ・SDXCカードスロット | ・Thunderbolt 4 x2 ・SDXCカードスロット |
外部ディスプレイ(60Hz)の接続は、M2 Maxで最大5台、M2 Ultraでは最大8台可能です。さらにM2 Ultraでは最大8Kディスプレイ(60Hz)3台も接続できます。
前面ポートは、iPhoneやiPad、Apple Watch、モバイルバッテリーなどの充電や、USBメモリ用としても重宝します。
6GHz帯を可能にするWi-Fi 6E
M2 Max/M2 UltraのMac Studioでは、Wi-Fi 6Eに対応しています。M1 Max/M1 UltraのWi-Fi 6と同じ9.6Gbpsの速度ですが、6GHz帯の高い周波数でさらに高速なデータ通信が可能になりました。
他の規格のWi-Fiで通信しているデバイスが多数ある場合でも、遮断を避け安定した接続が可能です。
静音もキープする排熱機能
Mac Studioには、デバイスの背面や底に無数の小さな排熱ホールを備えており、負荷の高い作業でもデバイス内の熱上昇を効果的にブロック。高いパフォーマンスの維持や電力の効率化にも貢献します。
さらに静音を維持するため作業の集中を妨げず、動画編集や音楽制作中での音声やサウンドの聞き取りもスムーズです。
省スペースのコンパクトサイズ
Mac Studioはコンパクトサイズ(高さ9.5cmx幅19.7cmx奥行き19.7cm)で、デスクスペースを占領しないのも魅力の一つ。
横置きならStudio Displayの下に設置でき、マルチディスプレイを使っている場合もセッティングを変更する必要がありません。
ディスプレイの下に置くスペースがないときは、縦置きにしてディスプレイの脇に設置することも可能です。
デメリット
- 万人向けではない高スペック
- メモリの増設/ストレージの拡張ができない
- 価格が高い
万人向けではない高スペック
Mac StudioはパワフルなM2 Max/M2 Ultraを搭載したマシンで、M2 Ultraはさらに高い性能を要求するプロのクリエイターなどのユーザー向けのチップです。
いずれのチップも一般的な作業にもちろん使えますが、醍醐味となるパワーを持て余してはメリットを実感できないでしょう。
メモリの増設/ストレージの拡張ができない
Mac Studioはメモリの増設やストレージの拡張ができません。購入時にカスタマイズした構成で使用するため、しっかり検討することが必要です。
M2 Max/M2 Ultraのストレージは、512GB(M2 Maxのみ)、1TB、2TB、4TB、8TBから選択できます。
価格が高い
高いチップパフォーマンスや拡張性を備えたMac Studioですが、それなりに価格も高いマシンです。
ベース構成でM2 Maxでは298,800円、M2 Ultraでは598,800円で、チップ間の差額は倍以上になっています。フルスペックではそれぞれ774,800円、1,270,800円です。
Mac Proと比べて更新スピードは早く、M1 Max/M1 Ultraモデルから1年3ヶ月でM2 Ultraへ更新。
新型に買い換える場合は、実に高価なデバイスになります。
Studio Displayのメリットとデメリット
5K 27インチディスプレイStudio Displayのメリットとデメリットをまとめました。
メリット
- 6つのスピーカーと指向性マイク
- 臨場感を満喫できる空間オーディオ対応
- 超広角12MPカメラとセンターフレーム
6つのスピーカーと指向性マイク
Studio Displayは6つのスピーカーを搭載し、低音から高音までサラウンドに再生。まるで生演奏のように原音を引き出すロスレスオーディオで、ハイレゾなサウンドを体験できます。
フォースキャンセリングウーファーにより音響を振動を抑えながらなめらかに調整し、クリアな低音を再生。
ノイズ除去をする指向性ビームフォーミングマイクでは、クリアな音声でビデオ会議や録音ができます。
臨場感を満喫できる空間オーディオ対応
Studio DisplayでもApple TVなどドルビーアトモスに対応している映像や楽曲でサラウンドな視聴を体験できる空間オーディオを利用できます。映画館のような迫力あるサウンドは、没入感をもたらすほどリアル。
空間オーディオはAirPods Max、AirPods Pro、AirPods 第3世代、Beatsのヘッドフォンやイヤホンなどで利用できます。
超広角12MPカメラとセンターフレーム
122度の超広角12MPカメラにより、ユーザーのいる場所を自動的にフォーカスするセンターフレーム機能を搭載。大画面でのオンライン会議やビデオチャットを頻繁に行う方には利用価値が高いでしょう。
センターフレームはiPadシリーズにも採用されているスペックで、ハイエンドモデルに限定されずに利用できるスペックです。
デメリット
- Thunderbolt 3は1つのみ
- 高さ調整スタンドは有料
- クオリティはあるが価格と不均衡
Thunderbolt 3は1つのみ
Studio Displayは5K 27インチディスプレイにかかわらず、1つのThunderbolt 3と3つのUSB-Cのみです。外部ディスプレイの接続は1つのみに制限されます。
かつての5K 27インチiMacでは、Thunderbolt 3は2つ、USB-Cは4つありました。
サードパーティーのディスプレイにも搭載されているHDMIがつていない点も惜しまれます。
高さ調整スタンドは有料
Studio Displayの標準スタンドは傾き調整のみで、高さの調整はできません。必要な場合は、48,000円の追加料金でカスタマイズできます。
サードパーティーのディスプレイでは、高さ調整のほか回転機能を標準搭載されているモデルもあり、Studio Displayの標準スタンドと高さ調整付きスタンドの差額で1台購入できるモデルもあります。
クオリティはあるが価格と不均衡
Studio Displayの価格は219,800円〜です。音響システムやカメラ機能は大幅にグレードアップしましたが、ディスプレイにはミニLEDは搭載しておらず、120Hzのリフレッシュレートにも対応していません。
27インチiMacを比較対象にすると輝度500ニトから600ニトへのグレードアップしただけのディスプレイ自体に対しては割高です。
あえて採用したA13チップや64GBストレージが、やがて価値あるものとして意味をもたらすなら、腑に落ちない点は多少軽減できるかもしれません。
Mac StudioとStudio Displayはセットで購入しないと意味がない?
Mac StudioとStudio Displayをセットで使うのは理想的ですが、予算オーバーが気になるときは組み合わせやデバイスのモデルを変更して価格を抑えることも可能です。
Mac Studioとサードパーティーの外部モニターを使う
Mac Studioが必要な場合は、サードパーティーの外部ディスプレイで予算を抑えることができます。150,000円程度で利用できる5K 27インチディスプレイもあり、Studio Displayと比較すると約70,000円節約できます。
ディスプレイサイズや解像度のほかにも、オーディオやカメラ、チップなどStudio Display特有の機能も考慮して検討すると良いです。
Studio DisplayとMac miniを使う
M2 MaxのMac Studioよりややパワーが下回っても問題ない場合は、M2 Pro Mac miniとStudio Displayを検討することもできます。
M2 Pro Mac mini(12コアCPU、19コアGPU、16コアニューラルエンジン、メモリ32GB、ストレージ512GB構成)282,800円。Studio Displayとセットアップも含め、Mac StudioのM2 Maxより16,000円安いです。
差額の割合はユーザーによって異なるので、最終的には作業と照らし合わせて検討すると良いです。
M1 Max/M1 Ultra Mac Studioを検討する
M1 Max/M1 UltraのMac Studioは、M2 Max/M2 Ultraの更新により比較的価格が安めです。M1 Max/M1 Ultraも高性能なプロマシンなので、妥協できないスペックがなければ十分検討できるでしょう。
特に急いでいない場合は、店舗やオンラインの販売サイトのセールを利用するのもアイデアです。
まとめ
Mac StudioとStudio Displayのメリットとデメリットは、使い方によって異なります。いずれのデバイスも自分のニーズに応じて検討しながら、満足のいく購入をしましょう。
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