
iPadの対応アプリで利用できるマークアップでは、用途に応じたペン類、ルーラー、消しゴムなど、豊富なツールでデザインをサポート。
マークアップツールの種類と使い方、カラーやツールのカスタマイズ、ツールバーや指での描画設定など主な機能をご紹介します。
目次
マークアップ対応のアプリ
iPadでは主に以下のアプリ、およびスクリーンショットにで利用できます。
- フリーボード
- メモ
- ファイル
- メール
- 写真
- Pages
- Keynote
- Numbers
- スクリーンショット
アプリによって使用できるツールや使い方は若干異なり、中でもフリーボードではより多くのペンツールを12種類完備しています。
マークアップは、各アプリで表示されるペンアイコンをタップでオンにすると利用できます。
マークアップのペンの種類と使い方

マークアップのペンの種類が多い場合は、右側のツールが非表示になっています。ツールバーを左へスワイプすると、利用できるペン類を確認できます(画像は合成)。
それぞれのツールをタップをするとツールバーから上へ飛び出し、使用が可能になります。使用中のツールを確認するときもわかりやすいです。
Apple Pencil(USB-C)では筆圧による濃度の変化は非対応です。
1: スクリブル
Apple Pencilで手書きしたテキストを、デジタル式に自動変換します。
すばやく手書きをしたときでも、キーボード入力のように直後にテキストで整えてくれるので、画面のスペースも多く取らずいつ見ても読みやすいです。
スクリブルで使う言語は、マークアップツールバーの右にある(使用中の言語によって表示は異なる)をタップで言語の切り替えが可能です。


スクリブルで入力するとテキストスタイルの編集も利用でき、をタップでフォントやサイズ、配置、カラーなどをカスタマイズできます。
スクリブルが機能しない場合は、「設定」→「Apple Pencil」→「スクリブル」をオンにします。
2: ペン
テキストやラインでデザインをするときに最適なツールです。
Apple Pencilで押しながら描くと濃くなり、スラスラと表面的に描くと薄めになります。
ペン先の傾き角度に関わらず、設定した太さを維持します。
3: 製図ペン
極細のペン先が特徴の製図ペンは、一定した濃さのラインを描くときにおすすめです。
筆圧によって濃さが変化しないため、統一感のあるすっきりしたテキストや線画などを作成できます。
4: マーカー
蛍光ペンです。
テキストをハイライトで強調したり、太い設定でApple Pencilのペン先を傾ければ塗りつぶしにも対応。
重なった部分は色が濃くなり、仕上がりに立体感をもたらします。カーブして折り曲がった部分では、内側と外側の区別もしやすいです。
ペン先を垂直にするほどラインが幅が細くなり、斜めにするほど太く描けます。
5: 消しゴム
オブジェクトの一部またはオブジェクトごとに、タップまたはドラッグで消去できます。
オブジェクトを一部削除するときの消しゴムは円形です。
消去するだけでなく、塗りつぶしたオブジェクトをタップすれば、白い水玉模様や穴を表現することもできます。
6: 編集

編集するオブジェクトをタップまたは囲んで選択し、表示されるメニューからコピーやサイズ変更、削除などさまざまな機能を実行できます。選択を解除しない限り、他のオブジェクトへ選択の切り替えも可能です。
1つの同じ範囲内にある複数のオブジェクトで同じ編集をするなら、オブジェクトを囲んで一括操作をしましょう。
選択中にドラッグすれば移動もでき、複数のオブジェクトでは同じ位置を維持したいときも便利です。
重なるオブジェクトの1つを編集するときにも役立ち、移動も削除も手軽にできます。
7: ルーラー

直線を描きたいときにおすすめのツールです。
ルーラーをタップした時点では90度ですが、指で回転することで角度を変更できます。
ルーラーを使うときはペンも同時に有効にでき、ルーラーに若干かかるように沿ってなぞると、まっすぐな線を描くことができます。
ルーラーまたは画面をずらしながら、きれいな平行線を描けます。
マスキングテープのように、オブジェクトを塗りつぶすときのはみ出し防止ツールとしてもおすすめ。削除したくない部分をプロテクトすることもできます。
ルーラーを閉じるにはタップをします。
8: 鉛筆
鉛筆のように柔らかなラインを描けます。
Apple Pencilを斜めに傾けて描くほどラインが太くなり、鉛筆のかすれた筆感がわかりやすくなります。
芯が細いので、たくさんテキストを書くときに最適です。
アンダーラインを引くときは、筆圧を強めて濃い目に強調すると良いでしょう。
9: 範囲塗りつぶし
Apple Pencilや指でデザインをしながら、自動的に塗りつぶすことができます。
抽象的なフォームでクリエイトすれば、オリジナルのアート作品に早変わり。
色の切り替えをするには、色を変更した後にオブジェクトをタップするだけです。
10: クレヨン
ラフな描画におすすめのツールです。
Apple Pencilでの筆圧や傾き加減に応じた濃さや太さなど、実際のクレヨンで描いているかのように表現できます。
テキスト、デザイン、塗りつぶしなどマルチに対応するツールです。
11: 万年筆
フォーマルなテキストや署名に最適なペンツールです。
入り混じる異なる太さのラインが、上品で優雅な筆体に見せてくれます。
英文字の筆記体や日本語の縦書きも美しく仕上がります。
12: 水彩ペン
筆圧や傾きによる色の強弱を、Apple Pencilで際立たせることができるツールです。
軽いペンタッチではほぼ透明のように淡く、強めに描けばトーンが色濃くなります。デザイン中に筆圧を変えることで、グラデーションをつけることも可能です。
光の当たり具合に応じてオブジェクトや周辺に影をつけて立体感を持たせるのも良いでしょう。
カジュアルに塗りつぶした部分を、テキストの背景として使うのもおすすめです。
ペンのカラーを設定する
マークアップのペンの色は、ツールバーの右にあるカラーパレットから変更できます。

デフォルトのカラーのほか、虹色カラーをタップすると、「グリッド」「スペクトラム」「スライダ」から中間色も含む豊富なカラーを利用できます。「スライダ」では、RGB数値や16進数で指定することも可能です。
さらに色の透明度を変更するには、各カテゴリーにある「不透明度」でスライダーや数値で調整しましょう。
画面上の色を使用したい場合は、ウインドウ左上にあるスポイトで色を抽出。サークルをドラッグしながら、使いたい色を認識したタイミングで指を放すと色が切り替わります。

カスタマイズした色はウインドウ下のカラーパレット内にある「+」をタップで保存でき、繰り返し使用可能です。
保存したカラーを削除するには、カラーを長押し→「削除」をタップします。
ペンのツールをカスタマイズする
ペンでは太さや不透明度、消しゴムでは消去スタイルや範囲を設定できます。範囲塗りつぶしツールは、不透明度のみ対応しています。
ペンをカスタマイズする

- マークアップツールバーから使用するペンをタップ
- もう一度ペンをタップ
- 上段でペンの太さを選択する
- 下段の丸を左右にドラッグして不透明度を調整する
使用中のカラーや不透明度はペン軸にも反映されます。不透明度は0〜99で表示され、100の場合は非表示です。
消しゴムをカスタマイズする

- マークアップツールバーから消しゴムをタップ
- もう一度消しゴムをタップ
- 「ピクセル消しゴム」または「オブジェクト消しゴム」を選択する
- 下段で消去する範囲を選択する
「ピクセル消しゴム」では、部分ごとにオブジェクトを消去できます。文字の削除やフォームを整形したりラインを細くしたりなど、一部を編集したいときにおすすめです。
「オブジェクト消しゴム」では、オブジェクト単位で消去します。描画をすべて削除するのではなく、複数の特定のオブジェクトを手早く消去したいときに便利です。
マークアップツールバー・指で描画を設定する
マークアップツールバーを使用中のツールのみ表示し、画面の表示スペースを増やすことができます。指で描画する設定も同じ場所で行います。

ツールバーを自動でしまう
- ツールバーの右にある「…」をタップ
- 「自動でしまう」をオン
「自動でしまう」をオンにすると、デザイン中に自動的にツールバーが非表示になります。手動の場合は、ツールバーを左右いずれかへドラッグしてください。

いずれの設定も、ツールをタップで表示が可能です。
メモ、フリーボード、写真、ファイル、メールでは、ツールバーをドラッグすると画面の上下左右に移動できます。
指で描画する
アプリによって設定表示が異なり、ツールバーから直接設定できる場合と「設定」で行う場合があります。
- ツールバーの右にある「…」をタップ
- 「指で描画」をオン、(「Apple Pencilの設定」/「pencil設定」の場合)「Apple Pencilのみで描画」をオフ
設定はツールバーと「設定」間で同期し、有効中画面のスクロールは不可です。
デフォルトのオブジェクトを追加する
メモ、メール、ファイル、写真では、ステッカーや署名など、いくつかデフォルトのオブジェクトを追加できます。

対応するアプリでマークアップツールバー内の「+」をタップすると、以下の機能を利用できます。
- 「ステッカーを追加」…写真から切り抜いたもの、アプリ、サードパーティーなどのステッカーを追加
- 「説明」…画像の説明を追加
- 「テキストを追加」…テキストを追加
- 「署名を追加」…直接作成できる署名を追加
- 「シェイプを追加」…フォームや矢印などを追加
テキスト、署名、シェイプでは、それぞれのスタイルを編集できます。
写真から切り抜いて作ったステッカーでは、長押しでエフェクトの編集が可能です。ステッカーの追加法については、【iPhone】マークアップでステッカーを追加!写真・メモ・ファイルで使い方をご紹介をご覧ください。
アクションを取り消す/やり直す
マークアップで描いたテキストやデザインをキャンセルしたり、キャンセルを元に戻します。

マークアップツールバーの左にあるをタップで、直前のアクションを取り消します。
取り消したアクションを元に戻すには、をタップしてやり直します。
削除をしたオブジェクトを復元するときにも有効です。
まとめ
iPadではマークアップでデザインする機会も多く、バリエーションが次第に増えているツールをフル活用できるでしょう。Apple Pencil 第2世代ではダブルタップでツールを切り替えながら、作業の効率を上げてください。
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