
画像:Apple
Appleシリコン3代目となるM3シリーズを搭載したMacが10月30日に発表されました。MacBook Proと24インチiMacを皮切りに、新しいM3パワーでMacのパフォーマンスをアップデート。
M3シリーズの特徴を踏まえて、M3、M3 Pro、M3 Maxを搭載した各モデルの性能をまとめました。
目次
GPUパフォーマンスを強化したM3シリーズの登場
現時点でM3、M3 Pro、M3 Maxを利用できる3nmプロセスのM3シリーズ。M2シリーズのCPUより高性能コアで15%、高効率コアでは30%パフォーマンスが向上。M1と比べ最大65%高速なGPUに加え演算性能も60%高めたニューラルエンジンも提供します。
とりわけGPUを強化したM3シリーズでは、リアルタイムでメモリを必要な分だけ使用するDynamic Cachingテクノロジーを導入。余計に費やされるメモリの容量を抑え、GPUのパフォーマンスをサポートします。GPUの高速化がすべてのチップで実証されていることも、Dynamic Cachingが一役買っていると言えるでしょう。
すでにiPhone 15 Proにも搭載されているハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングは、環境に応じた自然な光の量や反射、屈折などをリアルに再現しながら映像への没入感をもたらします。多方面に行き渡る複雑な動作のグラフィックスでは、メッシュシェーディングにより自然な表現をクリエイト。
メディアエンジンのアップデートには、電力の効率化をサポートしながら再生するAV1デコードもポイントです。MacBook Proではバッテリーの使用時間も抑えられるでしょう。
M3シリーズのMacBook Proと24インチiMacの性能
M3シリーズでは、MacBook Proと24インチiMacのモデルに応じてM3、M3 Pro、M3 Maxを利用できます。それぞれのモデルの特徴をまとめました。
M3 14インチMacBook Pro:進化した13インチMacBook Proを統合
13インチMacBook ProはM3を搭載した14インチMacBook Proのローエンドモデルとして統合し、下位モデルのMacBook Airとレベルの違いを強調。M3のトランジスタは250億個に達し、M2より50億個多くなりました。CPUはM1と同じ8コアでもパフォーマンスは35%向上。10コアのみ選択できるGPUも65%高速化しています。
8GB、16GB、24GBのメモリや100GB/sの帯域幅は、M2 13インチMacBook Proと同じスペックです。
ストレージはM2 13インチMacBook Proで利用できた256GBはなく、512GB、1TB、2TBから選択できます。
ハイエンドのMacBook Proに特有の120Hzの可変リフレッシュレートを可能にする、ProMotionテクノロジーやミニLEDのXDRディスプレイも搭載。SDR輝度も500ニトから600ニトへアップデート。14インチの仲間入りで、ディスプレイサイズも13.3インチから14.2インチヘ拡大しました。
カーブエッジも更新しハイエンドの14/16インチMacBook Proのようにフラットに。MagSafe、SDCXカードスロット、HDMIを追加し外観的にもリフレッシュしています。2つのThunderbolt 3はM2 13インチMacBook Proと同じ数ですが、MagSafe充電のメリットで充電中に2つのポートを活用できるようになりました。60Hz 最大6Kディスプレイ1台も接続可能です。
バッテリーの使用時間は最大22時間対応でM2より2時間長くなり、96Wの電源アダプタも67Wからの大きな更新。さらに高速な充電により、ポータブルなMacで途切れのない作業をサポートします。
通信機能も改善し、Wi-Fi 6EとBluetooth 5.3に対応しています。
M3 Pro/M3 Max 14/16インチMacBook Pro:試すに値する”Max”の飛躍的パフォーマンス
ハイエンドの14インチMacBook Proと16インチMacBook Proでは、M3 ProとM3 Maxが利用できます。
M3 Proの12コアCPUでは高性能コアと高効率コアがいずれも6コアになり、低電力で高いパフォーマンスを提供。トランジスタは370億個でM1 Proと比べると47億個多く、16インチMacBook Proでは最大30%の高速化が見込まれます。GPUに関しても同じモデルに対し最大40%性能が向上し、4GB増えた最大メモリ36GBでベターな作業が期待できるでしょう。
M3 MaxではM2 Proより250億個上回る920億個のトランジスタを備え、14/16コアCPUや最大40コアGPUを可能にしました。12の高性能コアと4つの高効率コアの16コアCPUはM1 Maxと比べると80%高速化し、40コアGPUでは最大50%向上。
CPUの性能に応じたメモリの選択も用意されています。16コアCPUは48GB、64GB、128GBと構成が可能で、14コアCPUは96GBに対応。128GBはM1 UltraとM2 Ultraでも利用できる容量で、96GB止まりだったMaxでは初めての導入です。M2 Maxの96GBメモリを得るには38コアGPUが必要でしたが、M3 Maxでは14コアCPUに切り替わりました。
ベースの36GBはM3 Proと14コアCPU搭載のM3 Maxで利用でき、全体的に従来モデルより容量も選択幅も増えました。一律だった400GB/秒のメモリ帯域幅は、最大の16コアCPUと40コアGPUの構成に限定されています。
M3 ProとM3 Maxで利用できる共通ストレージは512GB、1TB、2TB、4TB。M3 Maxでは8TBも利用可能です。
カラーも一新し、スペースグレイがスペースブラックに置き換えられました。
M3 24インチiMac:すべてスタンダードな性能を提供
M2をスキップしてM3を搭載した24インチiMacは、2021年以来のアップデートです。
M1からM3へのCPUやGPUパフォーマンスの向上はM3 14インチMacBook Proと同じで、2つのThunderbolt 3/USB4のみを搭載した2ポートモデルでは8コアGPU、2つのUSB 3ポートを加えた4ポートモデルでは10コアGPUを利用できます。
4.5Kの解像度やディスプレイの輝度は500ニトのままで、同じチップのM3 14インチMacBook ProのミニLEDディスプレイとの違いもクリアです。
メモリや帯域幅、通信機能は、M3 14インチMacBook Proと同じ性能です。
まとめ
M3シリーズでMacBook Proと24インチiMacのパフォーマンスが頼もしくなりました。GPUはグラフィックスやメモリの使用も改善し、負荷の高い作業やゲームに恩恵をもたらすでしょう。ベースモデルでも高い性能を提供するM3シリーズのMacは、どのモデルでも快適に使用できそうです。
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