
MacとiPadの3台のデバイスを使って、ユニバーサルコントロール (Universal Control)の設定や使い方、接続できない場合の対処法などをまとめてご紹介します。
まるでデバイスが一体化したように、1つのキーボードやマウス、トラックパッドで最大3台までのデバイス間を操作可能。複数のデバイスやアプリで作業をするときなど、シームレスなワークフローをサポートします。
ユニバーサルコントロールの基本設定
ユニバーサルコントロールを使う前の基本設定です。MacとiPad別の設定もまとめました。
共通設定
- デバイスを1m以内の間隔で設置する
- 同じApple IDでiCloudにサインイン
- それぞれのデバイスを同じWi-Fiに接続
- Bluetoothをオン
マウスやキーボード、トラックパッドがスムーズに機能するよう、十分に充電しておきましょう。
Macの設定
- 「システム設定」→「一般」をクリック
- 「AirDropとHandoff」をクリック
- 「このMacとiCloudデバイス間でのHandoffを許可」をオンにする
iPadの設定
- 「設定」→「一般」をタップ
- 「AirPlayとHandoff」をタップ
- 「Handoff」と「カーソルとキーボード」をオンにする
ユニバーサルコントロールではMacとiPadでHandoffを使います。それぞれデフォルトでオンになっていますが、機能しない場合はチェックしましょう。
テザリングを行なっている場合は、解除をしてください。
ユニバーサルコントロールの接続方法を設定する
Macから他デバイスの接続と方法を設定します。起動するMacを含む最大3台のデバイスで接続が可能です。


- 「システム設定」をクリック
- 「ディスプレイ」をクリック
- 「+」をクリック
- 「キーボードとマウスをリンク」→追加したいデバイスをクリック
- 「詳細設定」をクリック
- 「MacまたはiPadにリンク」内で接続法を選んでオンにする(後の「MacまたはiPadにリンクについて」を参照)
- 「完了」をクリック
macOS Venturaではディスプレイ設定内の「詳細設定」からユニバーサルコントロールの接続設定が可能です。接続後のデバイスにポインターをあてると左右に矢印が表示され、クリックで選択した各デバイスに設定内にあります。
デバイスの追加と詳細設定の順番は、どちらが先でもOKです。起動した主デバイス以外のMacのマウスやトラックパッド、キーボードでもデバイス間を行き来できるようになります。
ユニバーサルコントロールが起動すると、メニューバーにアイコンが表示されます↓

「MacまたはiPadにリンク」について
MacやiPad間を接続する方法は3つあり、複数の選択もできます。
「ポインタとキーボードを近くにあるすべてのMacまたはiPad間で移動することを許可」
基本的に「ポインタとキーボードを近くにあるすべてのMacまたはiPad間で移動することを許可」を有効にしておけば、1つのキーボードやマウス、トラックパッドでMacやiPad間を操作できます。
オフにすると他2つの機能も同時にオフになり、ユニバーサルコントロールが機能しません。ユニバーサルコントロールを完全に使わないときに設定しておくと良いでしょう。
「ディスプレイの端を通過させて近くにあるMacまたはiPadに接続」


ディスプレイの横端から、隣のデバイスの横端へとゆっくり押し出して接続します(デバイスを前側に置いても横から接続)。ポインターが渡ったときに自動的に接続されるので、ディスプレイ設定でデバイスを追加する必要がありません。接続後はディスプレイ設定内に自動的にデバイスが表示されます。
オフにした場合は、ポインターが通過できなくなります。安全性を配慮した接続法でもありますが、ユニバーサルコントロールを使うたびにディスプレイ設定からデバイスの追加が必要です。
「近くにあるMacまたはiPadに自動的に再接続」
起動時のほか、Wi-Fiの切断やスリープ解除後でも、以前に接続したデバイスなら自動的に再接続できる方法です。
次回の起動時に自動接続するには、ユニバーサルコントロールの解除をせずに終了してください。
ディスプレイ設定からデバイスを追加したり、ディスプレイの端を通過しながら接続する必要がなくなります。
設定はMac間で同期されます。
「ディスプレイがオフのときに自動でスリープさせない」について
ユニバーサルコントロールで作業中に、デバイスを自動でスリープさせるかアクティブ状態を維持するかを選択できます。
ファイルのドラッグ&ドロップやコピペなどデバイス間でシームレスな作業を重視するときはオン、電力節約をする場合はオフにするなど、状況に合わせて設定できます。
iPadをスリープ解除した後はロック画面でも自動的に接続されますが、ユニバーサルコントロールを再開するときはロック解除をしてください。
デバイスの配置を設定する


- 「システム設定」→「ディスプレイ」をクリック
- 「配置」をクリック
- デバイスをドラッグして配置をする
- 「完了」をクリック
移動ができるデバイスの周辺は、色枠が表示され、主ディスプレイ(画像では右側のMac)以外のデバイスをドラッグして配置を変更します。
Macは主ディスプレイの上側にも配置できますが、iPadは左右横側と下側のみです。
iPadは縦向きもでき、向きを変えるとディスプレイ設定内でも同期します。
ユニバーサルコントロールの操作
ユニバーサルコントロールで使える主な機能を3つまとめました。デバイスの組み合わせによって異なる場合があります。
デバイス間のカーソル移動
設定したデバイス間でカーソルを移動してみましょう。移動先のデバイスのウインドウがアクティブになっていなくてもスクロールやスワイプ、MacではMission Controlなどが操作できます。
iPadはカーソルがデバイスに移動した瞬間にサークルに変化しますが、デバイス間の行き来は通常のカーソルと同じ感覚です。
ファイルなどのドラッグ&ドロップ
ファイルやフォルダ、テキストなどをデスクトップやメモ、メールなどのアプリ内へドラッグ&ドロップできます。
手動でコピペをする必要がなく、設定した配置に沿ってデバイス間をドラッグしながらまたぐだけでOKです。
テキストの入力
接続したMacとペアリングしているキーボードで入力が可能です。Macでは通常通り、入力をするウインドウをアクティブにしてタイピングしてください。
iPadで言語の切り替えをするときは、画面下のツールバーの言語アイコンをクリック、またはFnキー/地球儀キーを押す→使う言語を選びます。

Fnキー/地球儀キーによる言語の切り替え設定は、「システム設定」→「キーボード」→「fnキー(地球儀キー)」を押して→「入力ソースを変更」を選択してください。
キーボードの表示と言語の切り替えは、アプリによってツールバーの表示方法が異なります。
ユニバーサルコントロールを使うポイント
ユニバーサルコントロールをスムーズに使うためのポイントを、MacとiPad別にお伝えします。
Macを使うポイント
キーボード、マウス、トラックパッドのペアリング切り替え
ユニバーサルコントロールで接続されているMacなら、主デバイス以外のキーボード、マウス、トラックパッドも使えます。
バッテリーがなくなったときは、ペアリングを切り替えれば引き続き作業ができます。ペアリングの変更後も、ユニバーサルコントロールの再設定の必要はありません。
スリープ解除はそれぞれのキーボードで行う
Mac同士でユニバーサルコントロールを使っている場合、使用中の1つのキーボード、マウス、トラックパッドでスリープができます。
解除をするときは、それぞれのデバイスでペアリングしているキーボード、マウス、トラックパッドで行なってください。
Safariのサイドバーについて
MacのSafariのサイドバーを非表示にしてフルスクリーンやSplit Viewで使っている場合、カーソルを右側のMacから左側のMacに移動すると表示されてしまいます。
サイドバーを非表示にしたままユニバーサルコントロールを使いたいときは、フルスクリーンやSplit Viewを解除しましょう。
iPadを使うポイント
ユニバーサルコントロール中の画面操作
iPadでユニバーサルコントロールを起動中でも、Apple Pencilやタッチスクリーンが利用でき基本的な操作は通常と同じです。ここでは接続中のマウスやトラックパッドによる操作法をまとめました。
- Dockを表示/非表示…画面下のバー以外の部分を上へスワイプ/下へスワイプ
- ウインドウ一覧表示…アプリの画面下のバーを上へ向かって左右中央へドラッグする
- ホーム画面へ戻る…アプリの画面下のバーをクリック
- 前後のWebページを開く…左右にスワイプする
スクリーンショットの撮り方
ユニバーサルコントロールでは、キーボードでiPadのスクリーンショットを撮ることができます。Macでは範囲指定ができますが、iPadではいずれのショートカットでもフルスクリーンで撮影されます。
- iPadでスクリーンショットを撮る画面を開く
- キーボードのコマンドキー+シフトキー+「4」、またはコマンドキー+シフトキー+「3」を押す
- 必要に応じて編集をする
撮影したスクリーンショットを直接他のアプリ内にペーストできる機能コマンドキー+コントロールキー+シフトキー+「4」または「3」は使用できません。
ユニバーサルコントロールを解除する
ユニバーサルコントロールを解除するときは、以下いずれかの方法で行います。

- 「システム設定」→「ディスプレイ」→「配置」→接続解除をする主デバイス以外のデバイスを右クリック→「接続解除」→2つのデバイスがまだ接続されている場合「完了」をクリック
- 「システム設定」→「ディスプレイ」→「+」→「キーボードとマウスをリンク」→接続解除するデバイスをクリック
- メニューバー→「ディスプレイ」アイコン→「キーボードとマウスをリンク」→接続を解除するデバイスをクリック
- メニューバー→コントロールセンター→「ディスプレイ」→「キーボードとマウスをリンク」→接続解除するデバイスをクリック
上記はすべてMacから操作しますが、iPadから解除したいたい場合は「設定」→「一般」→「AirPlayとHandoff」→「カーソルとキーボード」をオフにしてください。
ユニバーサルコントロールが接続できないときの対処法
ユニバーサルコントロールは接続や機能が安定していますが、万が一接続できないときの対処法をチェックしましょう。
接続がオフになっている
「ユニバーサルコントロール」の接続をチェックしましょう。一番最初の「カーソルとキーボードを近くにあるすべてのMacまたはiPad間で移動することを許可」がオンになっているかチェックしてください。
ディスプレイの端を通して接続できないときは、「ディスプレイの端を通過させて近くにあるMacまたはiPadに接続」をオンにします。
デバイスが追加されていない
一度デバイスを追加しても、解除されている可能性があります。「システム環境設定」→「ディスプレイ」→「ディスプレイを追加」から接続したデバイスにチェックが入っているか確認してください。
カーソルがデバイス間で移動しない
接続されているのにカーソルがデバイスを通過しないときは、ディスプレイの環境設定で配置を確認しましょう。
配置が正しくないときは、ディスプレイ環境設定内のデバイスをドラッグして調整してください。
Mission Controlが表示されている
どちらか片方のMacがMission Controlを起動しているとユニバーサルコントロールが機能しません。Mission Controlを解除して通常画面で行いましょう。
Sidecarが有効になっている
ユニバーサルコントロールでデバイスを追加するときは、「キーボードとマウスをリンク」から選びます。
直下にある「ミラーリングまたは拡張」はSidecarの設定なので、チェックが入っているデバイスがある場合はすべて外してください(3台のデバイスで混合使用の場合を除く)。
機種やシステムバージョンが非対応
ユニバーサルコントロールはmacOS Monterey 12.4以降、iPadOS 15.4以降にアップデートした、MacとiPadで機能します。対応機種は以下の通りです。
Macの対応機種
- MacBook 2016年以降
- MacBook Pro 2016年以降
- MacBook Air 2018年以降
- iMac 2017年以降
- iMac 27インチ 5K、2015年後期モデル
- iMac Pro
- Mac Pro(2019年以降)
- Mac Studio
- Mac mini 2018年以降
iPadの対応機種
- iPad Pro
- iPad Air 第3世代
- iPad 第6世代以降
- iPad mini 第5世代以降
まとめ
ユニバーサルコントロールの使い方は手軽で、MacやiPadを使っている方にはぜひ取り入れたい便利な機能です。iPadにキーボードをつける必要もなくなり、安定した接続で快適な作業が可能。状況に合わせて接続法を選択しながら、ユニバーサルコントロールを使いこなしましょう。
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