
Mac Studioが2022年3月18日に発売され、Macのデスクトップシリーズに新しくラインナップしました。M1 MaxまたはM1 Ultraの華麗なハイスペックで操り、Studio Displayとの併用でさらにポテンシャルな性能を発揮。
M1 AppleシリコンのハイエンドマシンとしてMacを率いる、Mac Studioの性能、デザイン、価格をまとめてお伝えします。
Mac Studioの性能スペック
Mac Studioのパフォーマンスは、搭載するチップによって異なります。それぞれのスペックをまとめました。
M1 MaxまたはM1 Ultraを搭載
Mac StudioはM1 MaxまたはM1 Ultraチップで作動するデスクトップです。それぞれの特徴をチェックしましょう。
M1 Max
M1 MaxはM1チップを拡張したチップで、最大で70%の速さをもたらす10コアのCPUや、最大4倍の速さを実現する32コアのGPUが備わっています。16コアのニューラルエンジンはM1と変化がありませんが、最大11兆/sの高速処理を誇っています。
ダブルのProResエンコード・デコードエンジンにより、8KのProResビデオを最大9本まで再生可能。さらに2つのエンコードエンジンなども加え、動画編集の向上を果たしています。
M1 Ultra
Mac Studioと同時発表されたM1 Ultraは、Mac Studioに捧げた超高速なチップです。UltraFusionアーキテクチャによって2つのM1 Maxをドッキングし、チップ間では2.5TB/sの帯域幅を記録。M1 MaxのCPUより2.6倍、GPUでは1.5倍の速さで8Kのレンダリングを可能としています。
並列演算に強さを発揮し、最大22兆/sという飛ぶような実行を実現。クリエイティブ系の重い作業でももたつかない速さで、ProResを含むビデオエンコードやデコードも俊敏に処理します。最大18本の8K ProRes動画再生も難なくこなすスーパーチップです。
M1 Ultraチップについての詳しい内容はM1 Ultraチップの特徴まとめ|プロユーザー向けのスーパーSoCが登場!をご覧ください。
ユニファイドメモリ
Mac Studioで利用できるメモリをチップごとにみてみましょう。
M1 Max | M1 Ultra |
---|---|
・32GB ・64GB | ・64GB ・128GB |
Ultraでは64GB、Maxでは32GBが標準搭載で、いずれも2つの容量があります。Ultraではチップの両サイドに各4つのメモリ、Maxでは各2つ、メモリ容量を均等分割して結合されます。
メモリ帯域幅はUltraで800GB/s、Maxは400GB/s。いずれも高速なデータ転送で、Ultraはさらに飛躍した性能です。
最大8TB SSDのストレージ
Mac Studioでは最大8TB SSDのストレージが、M1 UltraとM1 Maxで利用できます。
M1 Max | M1 Ultra |
---|---|
512GB、1TB、2TB、4TB、8TB | 1TB、2TB、4TB、8TB |
Ultraは1TB、Maxは512GB SSDが標準搭載されています。チップ間では大きな差はありませんが、いずれも作業に適切な容量が選べます。
高速に重いファイルが開いたりソフトウエアが起動し、最大8TBの保存スペースを確保できるほか、最大7.4GB/sで読み取りが可能です。
Mac Studioのデザインスペック
Mac Studioのポートやサイズなど、外観のスペックをまとめました。
充実した12のポート
Mac Studioには前面と背面にポートが合計12基搭載されています。
前面
- M1 Max…USB-C x 2、SDカードスロット
- M1 Ultra…Thunderbolt 4 x 2、SDカードスロット
右側にインジケーターランプがあります。
背面
- Thunderbolt 4 x 4 (Thunderbolt 4、DisplayPort、USB4、USB 3.1 Gen 2)
- 10Gb Ethernet
- USB-A x 2
- HDMI
- ヘッドフォンジャック
外部モニターはUltraで最大4つのPro Display XDRと4K TV、Maxでは最大3つのPro Display XDRと4K TVが接続できます。
背面の右端(後ろから見た場合)に電源ボタンがあります。
Mac miniをボリュームアップしたサイズ
Mac StudioはMac miniを大きくしたデザインで、高さ9.5cmx幅19.7cmx横19.7cmのスクエアサイズ。Mac miniより約6cm高いですが、横置きならディスプレイの下に入り、脇なら縦置きにも設置できます。
重量はMax2.7kg / Ultra3.6kgで、カスタマイズや製造工程により異なりますが、Ultraは冷却に効果的な銅製のヒートシンクを使っているためMaxよりも重いです。
排熱システムの完備
重いタスクを担うMac Studioが快適に機能するために、背面と下側に無数のホールを作りデバイス内の熱をクールにキープします。
本体が熱くなるのを抑え高いパフォーマンスが維持できるほか、電力消費の節約にもなります。ほとんど気にならない静音なファンで、作業に集中しやすいのもメリットです。
カラーはシルバーのみ
Mac Studioのカラーは、Mac miniと同様にシルバーのみです。どのディスプレイにもなじむ、Macのデスクトップのオーソドックスなカラー。
M1のMac miniもカラーバリエーションがなく、外部モニターと一緒に使うデバイスはMac Proも含めて単色が特徴です。
Mac Studioの価格
Mac Studioはチップによって価格が異なります。
*価格はすべて税込
- M1 Max…278,800円〜698,800円
- M1 Ultra…558,800円〜1,118,800円
M1 MaxはCPU 10コアから選択できるため、M1 Ultraとスタートラインで倍の差があります。M1 Ultraでは円安によりフルスペックで100万円を超えました。
さらに他のMacと同様、Final Cut Pro(36,800円)やLogicPro(24,000円)の追加も可能です。こちらは円安の影響は受けていません。
M1のMac miniと比べると以下のようになります。
Mac mini | Mac Studio (M1 Max / M1 Ultra) |
---|---|
92,800円〜414,800円 | 278,800円〜698,800円 / 558,800円〜1,118,800円 |
Mac miniとM1 Maxで186,000円〜、M1 Ultraでは144,000円〜の差があり、最大で1,026,000円です。
同じM1シリーズでも、パワーが格別に異なるのが価格からもわかります。
周辺アクセサリの価格について
Mac Studioはエンジンのみなので、ディスプレイやキーボード、マウスなどが必要になります。
サードパーティーの4Kディスプレイは、3万円〜10万円が目安。5Kでは同日3月18日発売のStudio Displayが、219,800円〜から利用できます。合わせて購入すれば、M1 Maxは497,800円〜、M1 Ultraで778,600円〜です。
入力に不可欠な新型キーボードなどのアクセサリ価格は以下の通りです。
- Magic Keyboard(Touch ID・テンキー付き)…25,800円
- Magic Mouse…13800円
- Magic Trackpad…19,800円
上記3つのアクセサリはホワイトとブラックが選べますが、テンキーなしのTouch ID搭載Magic Keyboardは、ホワイトのみが利用できます。
Mac Studioのスペック一覧表
Mac Studioの主なスペックを、チップ別で表にまとめました。いくつかのスペックは共通しています。
スペック | M1 Max | M1 Ultra |
---|---|---|
CPU | 10コア(8つの高性能コア、2つの高効率コア) | 20コア(16の高性能コア、4つの高効率コア) |
GPU | 24コア、32コア | 48コア、64コア |
ニューラルエンジン | 16コア | 32コア |
演算処理スピード | 最大毎秒11兆回 | 最大毎秒22兆回 |
トランジスタ数 | 570億個 | 1,140億個 |
メモリ | 32GB、64GB | 64GB、128GB |
メモリ帯域幅 | 400GB/s | 800GB/s |
メディアエンジン | ・ハードウェアアクセラレーテッドH.264 ・HEVC ・ProRes ・ProRes RAW ・ビデオデコードエンジン ・ビデオエンコードエンジンx2 ・ProResエンコード/デコードエンジンx2 ・8K ProResビデオ最大9本再生 | ・ハードウェアアクセラレーテッドH.264 ・HEVC ・ProRes ・ProRes RAW ・ビデオデコードエンジンx2 ・ビデオエンコードエンジンx4 ・ProResエンコード/デコードエンジンx4 ・8K ProResビデオ最大18本再生 |
ストレージ | 512GB、1TB、2TB、4TB、8TB | 1TB、2TB、4TB、8TB |
ポート | *背面 ・Thunderbolt 4 x 4 (Thunderbolt 4、DisplayPort、USB4、USB 3.1 Gen 2) ・10Gb Ethernet ・USB-A x 2 ・HDMI ・ヘッドフォンジャック *前面 ・USB-C x 2 ・SDカードスロット | *背面 ・Thunderbolt 4 x 4 (Thunderbolt 4、DisplayPort、USB4、USB 3.1 Gen 2) ・10Gb Ethernet ・USB-A x 2 ・HDMI ・ヘッドフォンジャック *前面 ・Thunderbolt 4 x 2 ・SDカードスロット |
外部モニターの接続 | 最大3台のPro Display XDRと4K TV | 最大4台のPro Display XDRと4K TV |
Wi-Fi | ・Wi-Fi 6 ・IEEE 802.11a/b/g/n/ac | ・Wi-Fi 6 ・IEEE 802.11a/b/g/n/ac |
Bluetooth | 5.0 | 5.0 |
最大消費電力 | 370W | 370W |
サイズ | 高さ9.5cmx幅19.7cmx横19.7cm | 高さ9.5cmx幅19.7cmx横19.7cm |
重量 | 2.7kg | 3.6kg |
カラー | シルバー | シルバー |
付属品 | 電源コード | 電源コード |
価格 | 249,800円〜939,800円 | 499,800円〜939,800円 |
M1 Ultraと比べるとM1 Maxは控えめに見えますが、M1 MaxもハイエンドのMacBook Proに搭載されているだけに、プロにおすすめの高性能なチップです。
まとめ
Mac StudioはMac至上のデスクトップとして、プロのクリエイターも納得できる飛躍を遂げました。Studio Displayとの併用もすることで、これまでにないハイエンドの性能を体験できるでしょう。
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