iPad Proを買って後悔した8つのポイント!本当に購入する価値がある?

アップデートのたびに高いパフォーマンスを提供するiPad Pro。MacBookと比較されるほどパワフルなデバイスの購入を、一度は考えた方も多いのではないでしょうか。

iPad Proは使い方によって物足りない、逆に持て余してしまうデバイスでもあります。そこでiPad Proを購入してどのような点で後悔したのか、現行モデルをベースに8つのポイントでチェックしましょう。おすすめの人や購入タイミングもまとめました。

iPad Proを使って幻滅!?後悔した8つのポイント

iPad Proを購入して実際使ってみると、期待はずれだったことがあります。その理由を8つのポイントでチェックしましょう。

1. 性能の違いが実感できなかった

iPad Proは他のモデルに先立って、最新のチップで更新されます。

チップの性能は常に向上していますが、作業によっては違いがわかりづらくなるでしょう。検索やメール、文書作成などベーシックな作業では、本来の性能を実感しづらくなります。

M2モデルではProResのエンコード・デコードも担うメディアエンジンも搭載されており、該当する作業をしない場合は無力になります。

高性能なiPad Proでも本来のパワーを発揮できず、片隅で宝の持ち腐れになってしまうでしょう。

2. カメラやビデオ撮影はiPhoneを使う

大きな画面のiPad Proでは、広い範囲で撮影ができるのがメリット。しかし大きなサイズは持ち歩いて使う場合、玉に瑕となることがあります。

iPad Proと比べて手軽にバッグやポケットから出し入れできるコンパクトなiPhoneは、軽量で片手でも撮影可能。他の人から覗き込まれる範囲も少なく、ちょっとした編集もその場で気軽にでき、iPad Proは常に二の次になってしまいます。

iPad Proのカメラは12MP(広角)、10MP(超広角)、2倍の光学ズームアウト、対してiPhone 14 Proでは48MP(広角)、12MP(超広角)、3倍望遠カメラ(12MP)、3倍の光学ズームインが可能。

ビデオ機能に関しては、いずれのデバイスで4Kビデオ撮影や最大4K、30fpsのProResビデオ撮影などが共通しています。加えてiPhone 14 Proでは、3倍の光学ズームイン、シネマティックモードやアクションモード、ナイトモードのタイムラプスなども搭載。

高度なビデオ撮影を可能にする点でも、iPad Proを使う頻度が減るでしょう。

3. Magic Keyboardとの併用で後悔することもあり

iPad Proで利用できるMagic Keyboardを併用していると、キーボードがデバイスのバッテリーを消費するため実際の使用時間より少なくなります。

ヒンジの左側にあるUSB-CコネクタからiPadへ電力を供給できますが、キーボードなしで使うよりも充電の頻度が多くなるでしょう。

Magic Keyboardは大きなiPad Proを支えるため、それなりに重量も増えます。468gの11インチは約600g、684gの12.9インチでは約700gで、デバイスと合計するといずれも1kg以上に。

モバイルデバイスに重要視される、バッテリーの使用時間と持ち運びやすさのレベルを落としてしまいます。

4. 片手で持って使えるが限度がある

iPadの中でも最もサイズが大きいiPad Pro。現行モデルの12.9インチと11インチそれぞれのサイズは以下の通りです。

  • 12.9インチ…280.6mmx214.9mmx6.4mm
  • 11インチ…247.6mmx178.5mmx5.9mm

いずれも片手で持って作業するにはサイズが大きいです。

写真やマップ、ファイルを閲覧するなど、単純な操作には耐えられるものの、入力作業やイラスト、ゲームなど正確さを求められる作業には限度があります。

さらに重さもプラスされるので、いずれの場合も、長時間の使用には向いていないでしょう。

Smart Folioをつけている場合は、さらに重量が増します。

5. ミニLEDの恩恵を感じられなかった

12.9インチiPad Proのディスプレイには、2596個のローカルディミングゾーンに10,000個以上のミニLEDを搭載しています。1,000,000:1の高度なコントラストと最大1,600ニトの高輝度により、どの箇所も鮮やかに映し出します。

もっともHDRの映像や画像など彩度を追求する作業をしない限り、違いはそれほどわからないもの。モノトーンの画面を見ているだけでは、ミニLEDの存在すら忘れてしまうでしょう。

ミニLEDはProモデル間で差をつけるスペックでもあり、未だ11インチに搭載されていません。

将来的にiPad Proのディスプレイはより高価なOLEDになるとも言われ、仮に実現する場合は慎重に検討する必要があるでしょう。

6. Macの代用にはならなかった

iPad Proには、Macと同じチップやリファレンスモード(12.9インチ)、メモリスワップなど、Macと同じ機能が次々と追加されています。

しかしスペックや機能をチェックすると、いくつかMacに至らないものがあります。

  • Finderがない
  • プレビューがない
  • メニューバーから操作できない
  • ターミナルが使えない
  • Mission Controlができない
  • スクリーンセーバーの機能がない
  • ユニバーサルコントロールやミラーリング/拡張ディスプレイなど連携機能を起動できない
  • ストレージは最大2TBまで
  • メモリの選択は8GBまたは16GBのみ
  • ポートが1つしかない

作業によって必要となるスペックや機能は異なるので、必ずしもデメリットとは言えません。作業に必要なスペックはiPad Proで十分であるか、購入前にチェックしておいて損はないでしょう。

7. 頻繁に更新するためすぐに古くなる

iPad Proは毎年のように新型が発表され、使いこなさないうちに型落ちするのはよくあることです。iPad Proを下取りに出しても、コストがかかるに変わりありません。

とは言え、特にiPad Proをメインデバイスとして使っている場合は、新型の存在は無視できないもの。大幅なアップデートでは、さらに買い替えの選択に駆られます。

視点を変えてみれば、Mチップやメモリスワップ(256GBストレージモデル)など、Proモデルと共通するスペックを搭載しているiPad Airでも満足できる可能性があります。11インチと匹敵する10.9インチの画面サイズやLiqiuid Retinaディスプレイも下位モデルで利用できます。

いずれにせよ、自分のニーズに応じたパフォーマンスを発揮できるかを念頭に置くことで、後悔しない使用ができるでしょう。

8. MacBook Air/13インチMacBookより高価

iPad ProはMacBook Airや13インチMacBookより価格が高く、Magic Keyboardを追加した場合はさらに上昇します。MacBookも検討している場合はチェック要です。

*すべて税込価格 (2023年4月現在)

iPad ProとMacBook Air価格比較表

デバイス価格
12.9インチiPad Pro 第6世代188,800円
11インチiPad Pro 第4世代140,800円
M1 MacBook Air134,800円
M2 MacBook Air164,800円
13インチMacBook Pro178,800円
*256GBのストレージで比較

12.9インチモデルではM1 MacBook Airより54,000円高く、11インチでは6,800円の差額があります。12.9インチではM2 MacBook Airより24,000円、13インチMacBook Proより10,000円高く、いずれも主にミニLEDで価格差をつけています。

もっともミニLEDを重視する場合は、14/16インチMacBook Proよりも安く購入できます。

iPad Proはトラックパッド付きのキーボードが別売りなので割高です。次の比較表でMagic Keyboardと一緒に購入する場合の価格をチェックしましょう。

iPad ProとMagic Keyboardをセットで購入する場合の価格比較表

デバイス価格
12.9インチiPad Pro 第6世代188,800円+53,800円=242,600円
11インチiPad Pro 第4世代140,800円+44,800円=185,600円
M1 MacBook Air134,800円
M2 MacBook Air164,800円
13インチMacBook Pro178,800円

Magic KeyboardをつけるといずれのモデルもMacBookを上回り、12.9インチでは最大107,800円差額があります。M1 MacBook AirとiPad Air(92,800円)を購入できる価格です。

iPad ProにはApple Pencil (第2世代)も不可欠なアクセサリ。Apple Pencil(19,880円)を追加すると12.9インチモデルで262,480円、11インチモデルでは205,480円です。11インチでも20万円を超えます。

iPad Proはどんな人におすすめなのか

iPadの中でもプロフェッショナル仕様のiPad Proは、基本的にどのような人におすすめなのかチェックしましょう。

高画質の画像や動画の編集をしている

iPad ProはAdobe Premiere RushやPowerDirector、iMovieなどの動画編集アプリや、PhotoshopやLightroomなどの画像編集アプリなどで高画質な作品を取り扱う方におすすめです。

リアルな鮮やかさを表現するミニLEDのXDRディスプレイ (12.9インチ)は、映像や画像のコントラストをアップ。これまでにない輝度の高さにより、最大限にコンテンツの魅力を引き出します。

Apple Pencilを駆使するイラストレーターやデザイナー

大きな画面のiPad Proは、イラストレーターやデザイナーにとってキャンバスになります。アプリで使うツールも見やすく、Apple Pencilでコントロールもしやすいです。

ダブルタップでマークアップのツールやインクの太さ、濃さを一瞬で切り替えられるのも作業の効率化をサポートするポイント。

現行モデルには、Apple Pencilを進化させる高精度な3Dセンサーを搭載。最大12mmの高さでペン先が画面に触れる位置を正確に捉え、まるで通常のペンのように微細な描き入れもスムーズになります、

どんな作業でも高速化を重視

最新のチップを先立って搭載するiPad Proの最大のメリットは、高速な作業を求めるユーザーに最適です。

M2モデルでは従来モデルより性能が向上し、8コアCPUでは最大15%、10コアGPUでは最大35%高速に。Face IDをはじめとするニューラルエンジンも40%アップしています。

滞りない作業にはWi-Fiの高速化も欠かせません。iPad Proでは最大2,4Gbpsを可能にするWi-Fi 6Eに対応。ダウンロードやアップロードなどを高速に処理したり、安定した接続でビデオやゲームなどスムーズな映像を提供します。

最大40Gbpsで高速なデータ転送をするThunderbolt 3/USB4ポートも、快適さを高めてくれるポイントです。

Macのサブディスプレイとして使う

Macで複数のアプリを起動していたり、動画や画像編集など大規模な作業をしているときに、iPad Proはサブディスプレイとしても役立ちます。

Macからキーボードやマウス、トラックパッドを連携したり、拡張やミラーリングなどで、iPad ProはMacのベストパートナーになるでしょう。iPad ProのMagic Keyboardも必要なくなり、持ちつ持たれつの組み合わせで利用可能。

Macが故障した場合も、iPad Proがあれば作業を進行できます。

iPad Proを使って後悔しないための購入タイミング

iPad Proを使って後悔しないためにも、ベターな購入タイミングをまとめました。

Macを検討中なら後で購入する

Macと購入を検討している場合は、Macの後にiPad Proを購入すると良いです。

iPad ProはMacの機能に近づいていますが、負荷の高いタスクなど作業によっては実行できない場合があります。

MacBook Airや13インチMacBook Proより価格が高いiPad Proで十分な作業ができなければ、価値が下がってしまいます。iPad Proに期待しすぎるほど、後悔の度合いも大きいものです。

iPad Proにキーボードを併用するなら、ポータブル性の点でもMacBook Airは検討対象になるでしょう。

レビュー情報を事前に収集する

iPad Proを購入する前には、実際使った人のレビューをチェックしましょう。ネット上で実際使った人のレビューから詳しい情報をキャッチでき、公式サイトでは見えない部分を発見できる可能性があります。

モデル間の比較レビューも、iPad Proのメリットやデメリットを見極めるのに役立つでしょう。

動画ではデバイスの使用感をあらゆる方向からチェックでき、リアル感がより伝わります。

実際の触感やカラー、持ちやすさなどを知るには、店舗で試してみるのがベストです。Apple Storeでは専門的なアドバイスをしてくれるでしょう。

他のモデルで作業が不可能なとき

他のモデルに物足りなさを感じるときは、iPad Proで解消することができます。

モデル内で最高のパフォーマンスを発揮するだけでなく、ディスプレイ、カメラなど、トータルにグレードアップ。他のモデルにないスペックの穴埋め合わせをしながら、満足感を与えてくれます。

iPad Proで毎日の作業が快適になれば、価格の差の負担も少なくなるもの。自分のニーズに応じたデバイスとして、長期間愛用できるでしょう。

常にiPad Proが必要と思ったとき

長い時が過ぎてもiPad Proを必要とするときも、良い購入のタイミングと言えます。周囲の意見に流されず、使い道を定めていることも大切なポイント。

iPad Proの特徴や機能をしっかり把握できる時間が持て、iPad Proのスペックを使い余すことも少なくなります。使用目的も明確になり、隅々まで活用できるでしょう。

型落ちになっても、iPad Proの性能を最大限に引き出しながら使い続けられます。

まとめ

iPad Proは高性能で魅力的なデバイスなので、一度は試してみたくなるものです。しかし機能やコストが自分のニーズとバランスが取れていないと失敗することに。おすすめの人や購入タイミングも参考に、満足のいくiPad Proを使ってください。

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