M2 Ultra Mac Proの性能は2倍に!パワーを包括した強力チップと高速な接続でアップデート

最強のM2 UltraでリニューアルしたMac Pro。高い性能でIntelプロセッサからAppleシリコンへの移行を完全にしました。

GPUやAfterburnerカード、メモリも担うポテンシャルなチップの特徴、さらにMac Pro特有のPCIe拡張スロットやポートの更新、価格についてまとめました。

M2 Ultraで2倍のパフォーマンス

2019年末以来3年半ぶりにアップデートしたMac Pro。初のAppleシリコンかつ最も高性能なM2 Ultraを搭載しました。

M2 Maxを2つドッキングしたM2 Ultraは、第2世代5nmプロセスで製造。ダブルの性能を発揮する24コアCPU、最大76コアGPU、32コアニューラルエンジン、メディアエンジンのトランスコードに、800GB/sの帯域幅を完備したユニファイドメモリ最大192GBを提供します。

プロセッサのアップデートにより256GBと512GBストレージは廃止され、1TB、2TB、4TB、8TBから選択できます。

ベンチマークスコアで性能を比較

Geekbenchのスコアから、M2 Ultraと2つのIntelプロセッサの性能をCPUとGPUで比較してみました。

CPU

プロセッサシングルコアマルチコア
M2 Ultra(24コア)279121361
Intel Xeon W、3223M(8コア)12597222
Intel Xeon W、3275M(28コア)137910425
Geekbench 6でのパフォーマンス

M2 UltraのMac ProはIntelモデルより4コア少ないですが、シングルコアでは2倍高速です。8コアIntelプロセッサのマルチコアでは、3倍高いパフォーマンスをマークしました。

1,340億個のトランジスタを詰め込んだチップのパワーは、見事反映されています。

GPU

プロセッサスコア
M2 Ultra208604
Intel Xeon W5500X56461
AMD Radeon Pro W6900X210182
Geekbench Metalでのパフォーマンス

Xeon W5500Xと比べると約3.7倍のパフォーマンスですが、現時点ではRadeon Pro W6900XのみM2 Ultraを上回っています。

M2 UltraではGPUの拡張ができず、60コアまたは76コアで構成します。統合チップのAppleシリコンでは拡張グラフィックカードの代わりに、モジュールの並行アクセスを可能にする共有メモリを活用することによりGPUの性能を向上させています。

メモリに関しては最大1.5TBまで増設できたIntelプロセッサより減少し、後からカスタマイズもできません。少なくとも共有メモリの恩恵で、メモリ領域をコピーするための容量を省くことができます。

Afterburnerカード7枚分のパワーを搭載

ProResやProRes RAWのトランスコードを高速にするAfterburner。M2 UltraではAfterburnerカード7枚分のパワーをメディアエンジンにもたらし、動画編集のパフォーマンスを飛躍的に向上させます。

24本の4Kカメラフィードを取り込みながらProResへエンコードをしたり、最大22本の8K ProResビデオストリームの同時再生を可能にしました。

Appleはメディア編集に応じた各ソフトウェアのパフォーマンスを、M2 Ultraと2つのIntelモデルで比較実証しています。

ベースモデルのOctane X(3Dレンダリング)では7倍を超え、最小のPhotoshopでも3倍以上という高性能を示しました。ハイエンドモデルでは、Compressor(トランスコード)やHoudini FX(3Dシミュレーション)で違いを実感しやすくなるでしょう。

AfterburnerをM2 Ultraにフュージョン化することで、Intelプロセッサで最大3枚までの拡張が限度だったMac ProのAfterburnerパワーを強化。M1 Pro/M1 Max MacBook Proより劣っていた状況も、M2 Ultraでようやく克服できるでしょう。

倍速PCIe拡張スロットと倍増Thunderbolt

M2 Ultraを搭載したMac Proでは、PCIe拡張スロットの高速化やThunderboltの数もアップデートしました。同じチップのMac Studioと差をつける大きなポイントです。

6つのPCle拡張スロットを高速化

M2 UltraのMac Proは7つのPCIe拡張スロットを完備し、x4(1基)、x8(4基)、x16(2基)のレーンで構成されています。

一番上のハーフレングスx4スロットはgen 3のままですが、フルレングスx8とx16レーンでは倍の転送速度や帯域幅を可能にするgen 4にアップデートされました。オーディオやビデオキャプチャ、ネットワーク、ストレージをさらに高速に処理します。

ネットワーク機能はWi-Fi 6E対応により6GHz帯まで拡張され、高速なデータ通信を強化。さらにBluetooth 5.3へのアップデートにより、通信範囲も広がります。

Intelプロセッサで拡張できたMPXモジュールやAfterburnerカードは非対応ですが、Intelプロセッサ用としてApple Storeや公式サイトでいずれも利用可能です。

8つのThunderbolt 4ポートを搭載

Thunderbolt 4ポートを8つ完備したMac Proでは、最大40Gbpsの速度で高速なデータ転送や8Kの映像をスピーディーに表示。タワーでは上部に2つ、ラックでは前面に2つあり、さらに共通する6つのポートがそれぞれの背面に搭載されています。

M2 Ultraでは8Kディスプレイも可能になり、解像度に応じて同時接続できる台数も増えました。8Kでは最大3台、6Kでは最大6台、4Kでは8台までそれぞれ60Hzのリフレッシュレートで対応します。

ウルトラハイスピードの48Gbpsを可能にする2つのHDMI経由では、最大8Kディスプレイと240Hzのリフレッシュレートの4Kディスプレイにも対応。

そのほかUSB-A x2や10Gb Ethernet x2、ハイインピーダンスヘッドフォン対応のヘッドフォンジャック、内部接続にUSB-A x1とシリアルATA x2のポートを搭載しています。

M2 Ultra Mac Proの価格

M2 UltraチップのMac Proのベース価格は、タワーで1,048,800円、ラックで1,098,800円です。チップを最上構成でそれぞれカスタマイズすると、タワーで1,720,800円、ラックで1,770,800円です。

さらにタワーの脚は56,000円追加でキャスターに変更できます。約17kgのMac Proを手軽に移動でき、安全性も高まります。

Mac ProにはマウスとTouch ID搭載テンキー付きブラックキーボードが付属され、トラックパッドを希望する場合は6,000円追加で変更できます。

まとめ

M2 Ultraでプロセッサを一新したMac Proは、Appleシリコンの統合チップにより今後もポテンシャルなパワーを提供できそうです。拡張スロットやポートもフル活用することで、高度なワークフローを快適にサポートしてくれるでしょう。

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