
フラットで対称的な形状のコネクタを持つUSB-Cケーブルは、急速充電やデータ転送、映像出力など1本で可能にするマルチ機能を備えています。
Appleデバイスも次第にUSB-Cポートを採用する中、USB-Cケーブルを使う機会は今後も多くなりそうです。今回はUSB-C – USB-Cケーブルを基準に、選ぶときのポイントを5つまとめました。
目次
最大転送速度に適切なケーブルと長さ
USB-Cケーブルは規格によって最大転送速度が異なり、480Mbps(USB 2.0)、5Gbps(USB 3.1 Gen 1/USB 3.2 Gen 1)、10Gbps(USB 3.1 Gen 2/USB 3.2 Gen 2)、20Gbps(USB 3.2 Gen 2×2/USB4 Gen 2×2)、40Gbps(USB4 Gen 3×2)などがあります。
最大転送速度を得るには、規格ごとに設定された長さも必要。ケーブルの長さは、USB 2.0(4m)、USB 3.1 Gen 1/USB 3.2 Gen 1(2m)、USB 3.1 Gen 2/USB 3.2 Gen 2/USB4 Gen 2×2(1m)、USB4 Gen 3×2(0.8m)を参考に選ぶと良いです。
2021年以降の14/16インチMacBook ProではThunderbolt 4ケーブルを利用でき、2mまでの長さなら40Gbpsで転送可能です。ゆとりを持った長さで外部ディスプレイと接続したい、100Wの充電速度や高価でも問題ない場合はUSB4ケーブルの代わりに検討できるでしょう。
ケーブルが可能とする最大転送速度を発揮するには、デバイスに対応するポートが搭載されていることが大切です。最大スピードを活かせる適切なケーブルを選ぶことで、本来持つ最大速度を引き出せます。
USB PDの規格に対応したケーブル
USB-Cケーブルは急速充電を可能にする、USB PD(USB Power Delivery)に対応しています。現時点ではUSB PD 2.0(最大100W)、USB PD 3.0(最大100W)、USB PD EPR(Extended Power Range) 3.1(最大240W)の規格があり、可能な速度を得るには適切なケーブル選びも必要です。
ケーブルには60W(20V/3A)、100W(20V/5A)、240W(48V/5A)があります。PDの規格に対応したデバイスが最低限必要とするW数をカバーできるPD充電器を確認し、その電力を最大限に引き出すに十分なケーブルを用意することがポイント。
60W以上のUSB-Cケーブルのコネクタにはe-Markerチップが内蔵され、ケーブルやデバイスのバッテリーの安全性を確保しています。チップによって伝えられるケーブルの電力や規格などの情報を基に、充電器が最適な電力をコントロールしながら過充電を防止。e-Markerチップ搭載のケーブルはUSB-IF(USB Implementers Forum)の規定に準じているものとみなされ、e-MarkerまたはUSB-IF認証などが記された製品を選ぶと安心です。
PD充電器は18W〜140Wなど幅広く選択でき、USB-Aを含む複数のポートを搭載しているものが多くあります。単一使用よりW数は低下しますが、iPhone、iPad、MacBookなど複数のデバイスや対応機器を併せて使用するときも必要不可欠です。
USB PD 3.0ではファストロールスワップ(FRS)に対応。給電中のデバイスからPD充電器を外し受電中のデバイスに接続するとき、高速に給受電の役割を切り替えながら充電やデータ転送を滞りなく継続します。
映像出力にはオルタネートモードケーブル
対応するUSB 3.1以降のUSB-Cケーブルでは、USBとは別の信号で映像出力を可能にするオルタネートモードを利用できます。多くの場合「映像出力」逆に映像出力不可などの表記があるので、規格と一緒に判断しましょう。
出力できる解像度はケーブルの規格によって異なり、USB 3.1やUSB 3.2では60Hzの4Kディスプレイ、USB4では60Hzの8Kディスプレイにも対応しています。
USB-Cケーブルで映像を出力するには、デバイスと接続するディスプレイがDisplayPort Alternate Modeをサポートしていることも大切です。マルチディスプレイで作業をするときも、同じ条件を満たしたケーブルとDisplayPort Alternate Mode対応のディスプレイであるか都度確認しましょう。
USB-Cケーブルのコネクタの形状
USB-Cケーブルのコネクタには主にスタンダードなストレートタイプ、I字タイプ、L字タイプがあります。
典型的なストレートタイプは差し込みやすく、選択幅も広いです。ヘッド部分が幅をとったり充電中にデバイスを横に持ちながら作業しづらいこともあります。
I字タイプではデバイスの側面に沿って好きな方向に差し込めるので、余分なスペースを作らず見た目もスッキリ。ストレートタイプとI字タイプと組み合わせて使えるコンビネーションタイプは、電源やデバイスの場所に応じて臨機応変に使い分けられます。
L字タイプは電源アダプタのポートとコネクタを平行に差し込め、ケーブルを垂直に保持できます。モバイルデバイスに使うときは、ケーブルに触れずに作業できるのもメリットです。
変換アダプタも含め、外観的にはラウンドカットやスクエアカット、カラーが選べるものもあります。ケーブルは汚れやすく、手垢などが目立たない黒やグレー、ネイビーが主流です。
ケーブルとコネクタの素材
毎日使うUSB-Cケーブルはダメージを受けやすいので、丈夫な素材を選ぶことがポイントです。ケーブルには、主にナイロン、PVC、シリコンなどがあります。
強度の高いナイロン素材は編み込みタイプが多く、通常のケーブルより太めで固めです。シリコン素材をナイロンでコーティングしたケーブルは、毛羽立ちを抑えられる利点もあります。ナイロンは他の素材より価格は高めですが、消耗しづらく安定性も高いためそれなりの価値はあるでしょう。
高い耐久性と柔軟性を兼ねたPVCやシリコンは、持ち運びにも最適な素材。巻きやすく、ほぐした後もフォームが固定されにくいです。使う向きにすぐになじむので、無駄なケーブル浮きもなくなります。
ネック部分のカバーが長いほど、ケーブルを取り外すときの衝撃も抑えられるでしょう。切り込みが付いていると、曲げたまま使用するときも保護力が高まります。
肝心のコネクタの部分も一緒にチェックしておくと、ベターな選択ができます。コネクタの素材には、耐摩耗性のニッケルコーティングのアルミ合金や腐食に強い金メッキなどを使用し、安定した高速充電やデータ転送を追求しています。
まとめ
USB-C – USB-Cケーブルはそれぞれ特徴が異なり、目的に合わせて規格や長さ、素材などを確認することがポイントです。複数の機能を使う場合は1つずつ対応スペックをチェックして、最善の速度や映像出力に活用してください。
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