M2 MacBook AirとM1のスペックを比較|どちらが自分にベストなモデル?

Appleは2022年6月6日(現地時間)に開催したWWDCで、M2チップを搭載した新型MacBook Airを発表。M1モデルは引き続き利用でき、M2のスペックとどんな点に違いがあるのか比較をしてみました。

2つのモデルの選び方も加えましたので、MacBook Airの購入や買い替えを検討中の方は参考にしてみてください。

M2とM1のMacBook Airスペック比較表

新型MacBook AirはM2チップをはじめ全体的にアップデートされ、”Air”をさらに強調するスッキリしたスタイルになりました。ここにM1モデルと主なスペックを比較表でチェックしましょう。

スペックM1M2
CPU8コア(4つの高性能コア、4つの高効率コア)8コア(4つの高性能コア、4つの高効率コア)
GPU7コア8/10コア
ニューラルエンジン16コア16コア
メディアエンジン・ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC
・ビデオコードエンジン
・ビデオエンコードエンジン
・ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProRes、ProRes RAW
・ビデオデコードエンジン
・ビデオエンコードエンジン
・ProResエンコード / デコードエンジン
帯域幅N.D.100GB/s帯域幅(M1より50%高)
メモリ8GB/16GB8GB/16GB/24GB
ストレージ256GB/512GB/1TB/2TB256GB/512GB/1TB/2TB
ディスプレイRetina (2560×1600)Liquid Retina (2560×1664)
ディスプレイサイズ13.3インチ13.6インチ
カメラ/ノッチ・720p FaceTime HD
・ノッチなし
・1080p FaceTime HD
・ノッチあり
ポートThunderbolt / USB4x2、ヘッドフォンジャックMagSafe 3、Thunderbolt / USB4x2、ヘッドフォンジャック
オーディオ・ステレオスピーカー
・ステレオサウンド
・ドルビーアトモス
・4つのスピーカー
・ワイドなステレオサウンド
・空間オーディオとダイナミックヘッドトラッキング(対応AirPods使用時)
カラー・ゴールド
・シルバー
・スペースグレイ
・ミッドナイト
・シルバー
・スペースグレイ
・スターライト
サイズ高さ0.41〜1.61cmx幅30.41cmx奥行き21.24cm高さ1.13cmx幅30.41cmx奥行き21.5cm
重量1.29kg1.24kg
外部モニター最大6K1台最大6K1台
バッテリー・最大18時間
・49.9Wh
・最大18時間
・52.6Wh
電源アダプタ30W USB-C・30W USB-C
・デュアル35W USB-C*
・67W USB-C*
Touch ID
価格134,800円〜164,800円〜

*選択したスペックによっては追加料金

14/16インチMacBook Proのスペックも採用している新型MacBook Airは、セミプロレベルとも言える性能とデザインです。

スリムになり重量は0.05kg軽くなりましたが、価格はM1より30,000円高いのはやむを得ないことでしょう。

続いてアップデートされた主なスペックの特徴を、性能とデザインで比較しました。

M2 MacBook Airの性能をM1と比較

新チップM2は程よい性能の向上と電力消費を抑えているのが特徴です。スピーカーやバッテリーもクオリティが高くなりました。

M2チップの構造

新型MacBook Airの大きな更新は第2世代の5nmプロセスで製造されたM2チップで、M1よりやや大きい1つのダイの右側に最大24GB(12GBx2)のメモリが結合されます。

M1より25%多い200億個のトランジスタにより、50%高い100GB/sのメモリ帯域幅で高速なデータ通信ができます。M1モデルも5nmですが、改良された次世代のチップのパワーの違いを実感できるでしょう。

基本的にM1にプラスアルファなパワーを加えたM2は、新型MacBook Airに適切な性能レベルを提供していると言えます。

CPU・GPUパフォーマンス

性能の向上と電力消費を抑えたM2チップのCPUは、同じ電力でM1より18%高いパフォーマンスを発揮。10コアCPUラップトップと比べるとほぼ2倍高く、ピーク時の電力は1/4少ないようです。12コアCPUラップトップのピーク時中、約90%のパフォーマンスを同じ消費率で発揮できるのもポイントです。

GPUでは同じ電力でM1より最大25%のグラフィックパワーを発揮し、さらにピーク時では35%まで引き上げます( 電力消費は上昇)。10コアGPUラップトップでは2.3倍速く、ピーク時は1/5少ない電力で処理ができるようになりました。

大幅な電力の効率化もM2の性能を高めている秘訣となるでしょう。M1では負担であった作業でも、快適なワークフローを実現します。

具体的にどのくらい性能に違いがあるのか、Geekbench 5によるシングルコアとマルチコアでスコアを比較してみましょう。

M1 MacBook AirM2 MacBook Air
シングルコア17061899
マルチコア74208965

明らかにM2のMacBook Airの性能が向上されていることがわかります。マルチコアでは8コアIntel XeonのiMac Pro(7976)やMac Pro(8025)を超えるスコアで、プロレベルに等しいチップと言えるパワーです。

ニューラルエンジン・メディアエンジン

1秒間に最大15兆8千億回の演算を行うニューラルエンジンは、M1より40%増加。マシンラーニングの処理能力がいっそう高まり、スピーディーに作業を完了できるでしょう。

M2のMacBook Airでは、M1よりも1.4倍のビデオ編集を可能にするメディアエンジンを搭載。8KビデオやProResエンコード/デコードエンジンのメディアエンジンにより、高解像度のビデオ編集や混合した高解像度のビデオ再生をこなすのもメリットです。

もちろんファンレスな静音ボディで、作業の集中力も上げてくれます。

スピーカーのクオリティ

M2のMacBook Airには、ツイーターとウーファーをそれぞれ2つ搭載した4つのスピーカーがあります。M1にあるキーボードの両脇スピーカーがキーボード上部の下に内蔵され、よりクリアなサウンドを体験できるでしょう。

ドルビーアトモス対応の楽曲や映画などで利用できる空間オーディオも、さらに臨場感あるサラウンド効果が得られます。

バッテリーパワー

M2とM1のバッテリー使用時間はビデオ再生時で最大18時間、インターネット使用時は最大15時間です。M2ではバッテリーの電力量が52.6Whになり、M1より2.7Wh増量しました。

電力消費の効率化に貢献するM2チップとバッテリーパワーのコンビネーションにより、新型MacBook Airのパフォーマンスを強力にバックアップできるでしょう。

電源アダプタは、デュアルUSB-Cと67WのUSB-Cでアップデートしました。同時充電やM1より高速な充電を可能にし、滞りない作業をサポートします。

電源アダプタについて

M1のMacBook Airには30W USB-C電源アダプタが付いてきますが、10コアGPUとストレージ512GB以上のカスタマイズで、デュアル35W USB-C電源アダプタまたは30分で最大50%の高速充電ができる67W USB-C電源アダプタが無料で選べます。8コアGPUとのストレージや10コアGPU256GBのパターンでは3,000円追加で付属できます。

10コアGPUへのアップグレードは16,000円、最低512GBのストレージは28,000円で、合計44,000円スタート価格に追加することになります。すでにアップグレードを検討している場合は、おまけ付きで購入できるでしょう。

M2 MacBook AirのデザインをM1と比較

M2のMacBook Airはノッチをはじめ、内側と外側でM1と差をつけるデザインになりました。セミプロの風格を漂わせるモデルです。

ディスプレイ/カメラ

14/16インチMacBook Proのように、MacBook Airにもノッチが搭載されました。黒いベゼルもスリムになり、M1より0.3インチ大きめの13.6インチです。ノッチ内にあるカメラは720pから1080pへアップデートされ、M1より倍の解像度や低照度性能、加えて先進的な画像信号プロセッサにより表情をクリアに映し出してくれます。

LEDバックライトディスプレイの明るさは、M1より25%アップした500nitや10億色で、文字や画像などがよりくっきりと見やすくなるでしょう。

ポートのアップデート

M2のMacBookには充電専用のMagSafeが左側に追加され、Thunderboltが充電時に占有されなくなりました。マグネットで簡単に着脱できるMagSafeは、本体と同じカラーでもらえるようです。

期待されていたThunderboltの位置はMagSafeに沿って左側に2つあり、左右それぞれの振り分けは次期モデルで期待したいポイント。

M1より20%サイズダウンしたM2モデルは、閉じた状態でM1より0.48cm薄い1.13cmで、MagSafeがギリギリ入るほどスリムになりました。MagSafe充電は14/16インチMacBook Proにすでに搭載され、今後もMacBookシリーズにMagSafeの導入が見込まれます。

ファンクションキーのサイズ

ファンクションキーがフルサイズになったM2のMacBook Airは、入力作業も快適になりました。ファンクションキーはタイピングの際に指に触れていない部分なので、離れた位置からでもタッチしやすくなります。

文字キーよりも使う頻度が少ないですが、ボリュームや明るさなどの調整もスムーズになるでしょう。同じサイズで、違和感のないタイピングができます。

カラーバリエーションの数

M2のMacBook Airのカラーはシルバー、スペースグレイ、スターライト、ミッドナイトの4色になりました。

誰にでもどこでもなじみやすいベーシックカラーで、スターライトはM1のゴールドを淡くしたカラーで、iPad Air第5世代やiPad mini第6世代にも採用されています。新色のミッドナイトはiPhone 13、iPhone 13 mini、iPhone SEなどでも選択でき、ブラックよりも黒さを抑えた夜空のようです。

カラーバリエーションが期待されていましたが、洗練されたデザインのM2 MacBook Airのカラーを選ぶ楽しみは変わらないでしょう。

カラーに関しても飽きのこないMacBook Airになりそうです。

M2それともM1? MacBook Airの選び方

M2のMacBook Airは性能だけでなく、厚さやノッチ、スクリーンサイズ、MagSafe充電などさまざまなデザインがアップデートされています。それなりにスタート価格もプロに近づき、新型MacBook Airはコストも上昇しました。

M1のMacBook Airも健全で、エントリーモデルとして素晴らしいスペックを搭載しています。M2と比べると性能が控えめですが、14万円以内で購入できるAppleシリコンを搭載した立派なモデルです。

つまりM1とM2は別々に検討するとベターです。もともとチップが異なるので、それぞれの性能を重んじながら自分のニーズに照らし合わせると良いです。あとはデザインや価格など二次的なスペックを考慮することで、どちらのモデルでもベストなパフォーマンスを発揮できるでしょう。

まとめ

M2のMacBook AirのスペックをM1モデルと比較しながらご紹介しました。M1も素晴らしい性能ですが、より磨きをかけた新型です。幅広いタスクに対応するほか利便性も高まり、1台持っていたいモデルになるでしょう。7月の発売が楽しみです。

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