
AppleのAR/VRヘッドセットの発売日が決まらない中、さらに2022年末以降に延期されたようです。環境の拡張や仮想を可能にする画期的なデバイスは、今までにないAppleの新シリーズとして期待されています。
すでに具体的な情報が噂されている初代AR/VRヘッドセットはどのようなスタイルで登場するのか、予想スペックをまとめてお伝えします。
AR/VRヘッドセットの発売は2022年末に見送り
AR/VRヘッドセットはすでに7年ほど前からAppleが着手しているデバイスで、当初2021年の発表が予定されていました。しかしヘッドセットの過熱やアプリの開発などが原因となり、2022年のWWDCにも間に合わなかったようです。
今年5月にはAppleは同社内の取締役会でデバイスを紹介したことで、発売の目処がたったかもしれません。Bloombergのマーク・ガーマン氏やアナリストのミンチー・クオ氏が予想するように、2022年末または翌年2023年の発売が濃厚になっています。
AR/VRヘッドセットの後には、姉妹デバイスとなるAR Apple Glassの発売も控えており、Appleが新しいシリーズを発表する準備が着々と整っているようです。
AR/VRヘッドセットの予想価格
AR/VRヘッドセットの最近の予想価格は3,000ドル〜(384,813円*〜)になると言われています。これまで噂される価格にはバラつきがありますが、ARとVRを兼ねたラグジュアリーなデバイスなため、1,000ドル以下になる可能性は低いようです。
もともとゲームなどのクリエイターや開発者などのプロ向けで、AR/VRヘッドセットそのものを使って楽しむだけでなく、ものづくりのツールも兼ねているハイテクなデバイス。
IDCリサーチ会社によると、すでに市場で出回っている他メーカーのAR/VRヘッドセットは年々増加傾向にあり、平均約46%の上昇が期待されているようです。VRヘッドセットの出荷比重が大きく、AppleのヘッドセットのARも第2の機能になるようです。
AR/VRヘッドセットは今後のApple製品の展開を左右するキーデバイスでもあり、Appleは初年700万台以上の売上を期待していると言われています。
*5月31日現在の為替レートで換算
AR/VRヘッドセットの特徴
AR/VRヘッドセットは、現実の環境に仮想の物体などを重ねて拡張するAR(拡張現実)と、仮想世界でユーザーを取り囲むVR(仮想現実)を搭載。ここに予想される主な特徴をまとめました。
Macのパワーを備えた2つのAチップを搭載
AR/VRヘッドセット内には、パワーが異なる2つのAチップが搭載されると言われています。いずれも現行のMacと匹敵する性能で、iPhoneやMacと隔たりのない快適なビジョンを提供できそうです。
ハイエンドのチップはTSMCの4nmプロセスで、主にビジュアルをコントロールする可能性があります。M1 Pro並みの高いパワーを持つ反面で過熱問題もある中、発売延期をとどめるためにも放熱システムなどの早急な改善が必要でしょう。ヘッドセット機能全体にわたって、低いレイテンシやバッテリーの効率化につながります。
ローエンドのチップは同メーカーの5nmプロセスで製造され、センサーなどを担うようです。
最大3000ピクセルの高解像なディスプレイ
AR/VRヘッドセットのディスプレイは、2種類の3つのディスプレイで構成されるようです。その一つがソニーが候補とされる最大3000ピクセルの2つの4KマイクロOLED。通常より10倍〜15倍小さい4〜20μmのピクセルで、バーチャルリアリティに浸れる理想的なディスプレイとなるでしょう。
ガラス基板でなくチップ内にあるマイクロOLEDディスプレイは、コンパクトで電力消費も抑えるメリットも。一方で、周辺視界用のサブディスプレイにはローエンドのAMOLEDを採用するようです。
15のカメラと4つの3Dセンサー
ミンチー・クオ氏は、AR/VRヘッドセットに15の光学カメラが搭載されるとレポートしています。カメラは役割ごとに分担され、ARに8つ、生体認証に6つ、そして環境検出に1つ使用されるようです。
ハンドジェスチャーや物体検出、空間検出などの4つの3Dセンサーにより、手を開くと中の物体が放たれるような手の動きと仮想物体の連動が可能になることも期待しています。
AR/VRヘッドセットの醍醐味でもあり、他メーカーと差をつけるキーポイントになりそうです。
新登場の”realityOS”で起動
Appleの新デバイスのAR/VRヘッドセットのOSは、”realityOS”になると言われ、Appleは専用のApp Storeの設置も望んでいるようです。主にゲームやストリーミングに加え、オンライン会議用に特化したアプリの開発が押し進まれるでしょう。
コマンドは音声やSiriに加え、AR/VRヘッドセットならではのハンドジェスチャーやアイトラッキングなどのコントロールも可能になるかもしれません。
さらに物理的なリモコンや、接続された他デバイスからの操作も試行中のようです。
快適な装着と軽量を追求
ウェアラブルデバイスであるAR/VRヘッドセットは、長時間の快適な装着にも着目しています。目を覆うメッシュ素材のバイザーはカーブを施し、顔に快適にフィット。外光の遮断やバイザー内の蒸れも軽減しながら、仮想世界にのめりこむことができそうです。
サイズ調整や交換もできるシリコンのようなヘッドバンドも合わせて、Appleは業界最軽量の200g以下を目標にしていると言われています。
AR/VRヘッドセットのレンズも薄いタイプを利用するようで、全体的な重量軽減が期待できそうです。
今後のAR/VRヘッドセットの展開
ミンチー・クオ氏によると、Appleは2024年に向けて第2世代のAR/VRヘッドセットをすでに開発しているとか。アップデートされる性能やデザインの詳細は明らかではありませんが、短い間隔での発表となると初代は試験的なモデルになりそうです。
もっともAppleにとって初代のAR/VRヘッドセットは長い年月をかけて生まれる賜物であり、将来的にiPhoneに代わる革新的なデバイスであるとも言われています。
Apple Car向けのヘッドセットも可能になれば、AR/VRヘッドセットは次第に日常生活に浸透していくでしょう。
まとめ
AR/VRヘッドセットの発売は早くても今年末になりそうですが、仮想システムの展開はすでに始まっているようです。果たしてどのような影響力をもたらすか、大きな期待がかかります。
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