
M1チップが進化する中、トップレベルを誇るM1 Ultraチップがシリーズに新登場しました。同時発表されたMac Studioに搭載され、プロユーザーをターゲットにしたパワフルな性能のチップです。
驚異的と言われるM1 Ultraチップにはどんな特徴があるのか、構造や主なパフォーマンスに注目してお伝えします。
目次
M1 Ultraチップの構造
M1 Ultraチップは、Apple独自のパッケージングアーキテクチャ「UltraFusion」(ダイツーダイインターコネクトテクノロジー)によって、2つのM1 Maxチップ(ダイ)を融合したチップです。
5nmプロセスによる1,140億個のトランジスタで構成され、2つのチップはシリコンインターポーザの1万以上の信号によって密接されているのが特徴。隔たりのないチップ間で、2.5TB/sの帯域幅をもたらしたのもUltraFusionの成果です。
M1 MaxおよびMac Proを超えるポテンシャルなスピードで、複雑な演算も高速に処理。他に比類ないM1 Ultraは、プロのユーザーを圧巻させるパフォーマンスを発揮できるでしょう。
M1 Ultraチップのパフォーマンス
M1 UltraチップのCPU、GPU、ニューラルエンジン、メディアエンジンの性能に加え、メモリや消費電力についてもまとめました。
CPU
M1 UltraチップのCPUは、M1 ProやM1 Maxの倍である20コアを搭載。16の高性能コアと4つの高効率コアで構成され、それぞれM1 Maxの2倍の性能です。
M1 Maxより2倍のトランジスタ数の恩恵で、16コアや28コアのMac Proよりも、60%〜90%高速に作動します。
ベンチマークでチェック!
Geekbench 5のベンチマークで、M1 Maxと比較をしてみましょう。
シングルコア | マルチコア | |
---|---|---|
M1 Ultra | 1785 (3221MHz) / 1793 (3220MHz) | 23942 (3221MHz) / 24055(3220MHz) |
M1 Max 14インチ/ 16インチ (3.2GHz) | 1747 / 1746 | 12189 / 12233 |
シングルコアでは大きな差はありませんが、マルチコアはM1 Maxよりも2倍の性能で圧倒的に超越していることがわかります。
GPU
最大64コアのGPUは、iMac 27インチ Radeon Pro 5700XTより4.5倍、Mac Pro Radeon Pro W6900Xより80%の速さを記録。8Kや3Dのレンダリングも滑らかに表示し、生き生きとしたリアルな映像を映し出します。
複雑なグラフィックスでも、細部まで美しく描き出せるのがM1 Ultraのパワーです。
ニューラルエンジン
これまでのM1チップのニューラルエンジンは、どのシリーズでも16コアでした。M1 Ultraでは32コアにグレードアップされ、最大22兆/sの演算により莫大なマシンラーニングもスピーディーに処理します。
初めてニューラルエンジンの性能が向上した点においても、チップの進化が伺えます。
メディアエンジン
M1 Ultraチップでは、8KのProRes 422ビデオストリームを18本まで再生できるなどメディアエンジンも向上しています。M1 Maxよりも倍の性能でビデオデコードやエンコードを高速に処理し、作業時間の縮小も期待できるでしょう。
映像編集はパソコンを重くするという概念を忘れさせてくれるのも、M1 Ultraチップのポテンシャルなパワーのおかげです。
最大128GBのメモリ
M1 Ultraに結合されるメモリは64GBと128GBで、左右に4つずつ合計8つ結合されます。64GBの場合は8GBx8、128GBでは16GBx8の構成です。CPUやGPUなどに伴い、メモリもM1 Maxより倍の容量に。
帯域幅も最大800GB/sに倍増し、低レイテンシのメモリを実現。融合されたチップ間の高帯域幅も加え、遅延時間を大幅に削減します。
消費電力の効率化
ポテンシャルなM1 Ultraチップは、電力の効率化に貢献していることもポイントです。無駄な電力を省きながらパワーを最大限に発揮できるのもM1 Ultraのメリット。
Appleが実証したCPUの電力消費量によると、60Wで16コアのWindowsより90%高い性能を発揮し、Windowsと同じピークポイントでは100W少ない電力で作動します。
GPUに関しても、ほぼ同じピーク時でハイエンドのWindowsより200Wの電力を抑えるなど、まさに少ない電力で高性能を発揮する画期的なチップと言えます。
まとめ
M1 Ultraチップは息を呑むようなハイレベルのパフォーマンスを提供してくれます。一度使うだけで他のM1チップとの違いがわかるパワーを体験できるでしょう。プロのユーザーも納得できる卓越したチップとして、さまざまな分野で活躍できそうです!
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